実験の不備に気付いたので追加調査し、その上で過去の実験をまとめた。
なお、実験環境はoras、第六世代である。
[最初に]
この記事は、以下の2つの記事および今回新たに実験して得られた結果をまとめた総括的なものである。
[トリプルバトル]遠隔技で対象に取った対角のポケモンが攻撃前にひんしになった際の攻撃対象の変化について - 多良津雑記
[トリプルバトル]対象にとった相手中央のポケモンが攻撃前にひんしになった際の攻撃対象の変化について - 多良津雑記
[注意]
今回の検証は経験的に得られた知識から推測した条件を実験により確認し、「正しいらしい」ということを言わば帰納的に結論づけるものである。故に天下り的というか、結論ありきの検証になるので、疑問点等あればTwitterアカウント @saga_taratsu まで遠慮なく言っていただきたい。*1
またここで、0.03%未満の確率は「起こり得ない」としても良い事象であるとする。つまり、「無作為であるならば同様に確からしい確率で発生すると思われる2つの事象が、片方の事象しか発生しないと結論づけるには12回の試行で十分である」とする。
[表現について]
- 「自分」は攻撃側、「相手」は攻撃される側のトレーナーを指すとする。
- 自分側から見てポケモンが
A B C
D E F
と並んでいるとき、その並びを(A.B.C/D.E.F)と表すことにする。
[使用したポケモンについて]
ファイアロー(Lv.50):153-146-92-77-89-178
ジグザグマ(Lv.50):114-82-61-31-61-123
ヤヤコマ(Lv.1):12-6-6-5-6-6
その他のポケモンは都度適当なポケモンを使用している。
なお、基本的に言及していないポケモンは「ねごと」で行動を消費している。
[ルールについて]
特に言及の無い限り、トリプルバトルのフラットルールである。なお、自分側がアルファサファイア、相手側がオメガルビーである。
[場合分け]
パターン番号から、各パターンの章にジャンプできる。
で自分の | のポケモンが、自分から見て相手の | のポケモンを対象に取ったが、相手のポケモンが攻撃前にひんしになったら | |
非遠隔技 | 左端 | 左端 | 自明 (左端か中央の残った方) |
中央 | |||
中央 | 左端 | パターン3 | |
中央 | パターン5 | ||
右端 | パターン3 | ||
右端 | 中央 | 自明 (中央か右端の残った方) | |
右端 | |||
遠隔技 | 左端 | 左端 | パターン2 |
中央 | パターン4 | ||
右端 | パターン1 | ||
中央 | 左端 | パターン3 | |
中央 | パターン5 | ||
右端 | パターン3 | ||
右端 | 左端 | パターン1 | |
中央 | パターン4 | ||
右端 | パターン2 |
都合によりパターン番号は上から順にはなっていない。
[仮説]
- 対象に取った(そして攻撃前にひんしになった)相手のポケモンが中央だった場合、攻撃が届く範囲で現体力が低い方のポケモンを対象にとる。
- 対象に取った(そして攻撃前にひんしになった)相手のポケモンが左端、もしくは右端だった場合、攻撃が届く範囲で自分から見て右側のポケモンを対象にとる。
[パターン1]遠隔技で端から対角を対象にとった場合
[実験]
- (ファイアロー.ジグザグマ.C/ヤヤコマ.E.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.ファイアロー.C/ヤヤコマ.E.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。 - (A.ファイアロー.ジグザグマ/D.E.ヤヤコマ)
ヤヤコマの「つばめがえし」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (A.ジグザグマ.ファイアロー/D.E.ヤヤコマ)
ヤヤコマの「つばめがえし」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。
[補足]
ファイアロー、ジグザグマの所をヤドランやドーブル、ヒトツキなどに変えたり、ヤヤコマの所をルカリオやドーブルに変えたり、技を変えたりして試行もしてみたが、いずれも右端のポケモンを対象にとった。なお、その他の所はしばしば変わっている。
[考察]
攻撃側から見て右端のポケモンを対象にとるようになっているように見える。また、その際タイプ相性などの他の要素も関係ないように見える。他の要因も思いつかないので、「右側のポケモンを対象にとる」としても良いのではないだろうか。
[パターン2]遠隔技で端から目の前を対象にとった場合
[実験]
- (A.ファイアロー.ジグザグマ/ヤヤコマ.E.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (A.ジグザグマ.ファイアロー/ヤヤコマ.E.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。 - (ファイアロー.ジグザグマ.C/D.E.ヤヤコマ)
ヤヤコマの「つばめがえし」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.ファイアロー.C/D.E.ヤヤコマ)
ヤヤコマの「つばめがえし」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。
[考察]
確かに攻撃側から見て右端のポケモンを対象にとるようになっているように見える。
[パターン3]中央から端を対象にとった場合
[実験]
- (A.ファイアロー.ジグザグマ/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (A.ジグザグマ.ファイアロー/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。 - (ファイアロー.ジグザグマ.C/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.ファイアロー.C/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。 - (A.ファイアロー.ジグザグマ/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「たいあたり」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (A.ジグザグマ.ファイアロー/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「たいあたり」でAの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでAのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。 - (ファイアロー.ジグザグマ.C/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「たいあたり」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.ファイアロー.C/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「たいあたり」でCの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでCのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでファイアローを攻撃した。
[考察]
確かに攻撃側から見て右端のポケモンを対象にとるようになっているように見える。
[パターン4]遠隔技で端から中央を対象にとった場合
[実験]
- (ファイアロー.B.ジグザグマ/ヤヤコマ.E.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.B.ファイアロー/ヤヤコマ.E.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ファイアロー.B.ジグザグマ/D.E.ヤヤコマ)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.B.ファイアロー/D.E.ヤヤコマ)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。
[補足]
ポケモンを変えても同様の結果を示した。その際、タイプ相性や耐久力(H×B,D)との関係は見られなかった。
なお、総体力の高いポケモンの現体力を低くして試行したところ、総体力は比較的に高いにも関わらず現体力の低いそのポケモンを対象にとった。
また、ヤヤコマが攻撃する直前に体力が減り、元々高かった一方の体力がもう一方の体力を初めて下回るようにすることで、参照する体力がターン開始時のものか直前のものかを確認した。すると、ヤヤコマの攻撃する直前の体力を参照するらしいということが分かった。
[考察]
体力の低い方のポケモンを対象にとるようになっているように見える。
またその際、タイプ相性などの他の要素は関係なく、参照するのは攻撃直前の現体力であるようだ。
[パターン5]中央から中央を対象にとった場合
[実験]
- (ファイアロー.B.ジグザグマ/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.B.ファイアロー/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ファイアロー.B.ジグザグマ/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「たいあたり」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。 - (ジグザグマ.B.ファイアロー/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「たいあたり」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマを攻撃した。
[考察]
体力の低い方のポケモンを対象にとるようになっているように見える。
[疑問点]
- 体力の低い方を対象にとる場合、体力が同じならどうなるのか?
- 体力の低い方を対象にとる場合、変化技ならどうなるのか?
[疑問点1について調べる]
なお、同じ体力のポケモンを2体改めて用意するのは面倒だったので、いわゆる「ハピナス道場」用にいる最脆ハピナスを2体使い、制限なしルールで試行した。制限なしルールで結果は変わらないと考える。
なお、ハピナスは常に「たまごうみ」を使用している。これまでの実験の結果から、体力は攻撃直前のものを参照していると考えられるので、これで一般性を失わないと考える。*2
[実験]
- (ハピナス(A).B.ハピナス(C)/ヤヤコマ.E.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にEもしくはFの位置にいるファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:以下の表のようになった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
C | C | A | C | C | C | C | A | C | C | C | C | C | A | C | C |
1. (ハピナス(A).B.ハピナス(C)/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にDもしくはFの位置にいるファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:以下の表のようになった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
A | A | C | C | C | C | A | A | A | C | C | A |
1. (ハピナス(A).B.ハピナス(C)/D.E.ヤヤコマ)
ヤヤコマの「つばめがえし」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にEもしくはFの位置にいるファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:以下の表のようになった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
C | A | A | A | C | C | C | C | C | C | A | C |
[考察]
無作為に対象をとっているように見える。
[疑問点2について調べる]
中央から中央を「あまえる」で対象に取った場合を調べる。
なお、右側のポケモンを対象に取る場合について、「いやしのはどう」で調べたところ、確かにそうらしいということは分かった。
[実験]
- (ファイアロー.B.ジグザグマ/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「あまえる」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマに甘えた。 - (ジグザグマ.B.ファイアロー/D.ヤヤコマ.F)
ヤヤコマの「あまえる」でBの位置のポケモンを対象にとり、ヤヤコマの行動前にファイアローでBのポケモンを倒す。1試合に4回分試行するのを3試合繰り返した。
結果:12回全てでジグザグマに甘えた。
[考察]
変化技であっても、体力の低い方を対象にとるようだ。
また、相手の能力ランクに左右されないらしいことが分かった。
[結論]
相手のポケモンを対象にとったが、自分が行動する前にひんしになってしまった時、対象にとっていた相手のポケモンの位置が
- 中央だった場合
届く範囲にいる相手のポケモンの内、行動直前の体力が低い方を対象にとる。- 体力が同じなら、無作為に対象をとる。
- 端だった場合
届く範囲にいる相手のポケモンの内、自分から見て右側のポケモンを対象にとる。
恐らくこの通りであると予想する。
何か反例が見つかれば教えていただきたい。
[3文でまとめる]
- 予想して予想が間違っていないことを確認する形だから絶対に正しいとは言い切れないよ。
- 対象にとった相手が中央なら、その子が倒れたあとは「現体力」が低い子を対象にとるよ。
- 対象にとった相手が端なら、その子が倒れたあとは「攻撃視点右側」の子を対象にとるよ。
(タイプ相性等のその他の要素は考慮されないよ)
[最後に]
全ての可能性を試行したわけではないが、ある程度自信を持てる結論を導くことができたので満足した。何か反例や調べるべき可能性があれば再度調査したい。
誤りの指摘や疑問点等あればTwitterまで。